風待草の研究日記

中村梅之助主演『遠山の金さん捕物帳』を研究中!

桜吹雪に傷

金さんの桜吹雪は、初期の頃は4人もの絵師が4時間もかけて描いていたそうです。
その後、デザインを変更して時間は短縮されたそうですが、やはり時間はかかっていたそうです。


第80話「夢を見た男」(1972.1.16放送)
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悪人の南町奉行所与力に斬られた金さん。
夜の場面なので見にくいですが、左腕の桜吹雪に傷があります。

桜吹雪を描いてから傷の細工をするのですから、時間もかかりますし、何よりこの話の場面の撮影しかできません。
そうです。左腕を斬られ設定にしたのは意味があったのです。

金さんは通常、右腕を脱いで桜吹雪を見せます。
左腕を斬られた設定なら、この話の撮影のときのみ傷のある左腕を見せればよく、他の話の場面は通常通り右腕を見せれば良いわけです。

1日に何話も撮影していたそうですから、特に時間のかかる桜吹雪、出来るだけまとめて撮影する必要があったのでしょう。撮影の工夫ですね。